埼玉県加須市の小児科、ともながこどもクリニックです。

こどもの笑顔も泣き顔もだいすきです

突然の嘔吐!

吐いた! 一番多いのはウィルス性の胃腸炎

①一番多いのはウィルス性の胃腸炎(お腹のカゼ)!!

②脱水が問題だが、数回なら一晩は大丈夫!

③嘔吐以外の症状により、注意点が多少異なります。

吐く病気にはいろいろなものがありますが、一番多いのはウィルス性の胃腸炎であり、一刻を争うような病気はかなり少ないと思います。しかしながら、吐く直前や吐いているときは、顔色が悪くなりとても苦しそうに見えますので、一見重い病気のように感じられます。吐いたあとに顔色が良くなれば一安心です。一晩で数回の嘔吐ならひどい脱水状態になることもないので、年長児ならば自宅で安静にしているだけでも大丈夫だと思いますが、年齢やほかの症状により注意すべき点がいくつかあります。

吐いた!~一番多いのはウィルス性の胃腸炎

吐くのは・・・

  1. ●ウィルス性の胃腸炎(お腹のカゼが多い)
  2. ●頭を強く打った後なら脳震盪?
  3. ●腸重積症(きわめて稀)
  4. ●髄膜炎(稀) など
生後6ヶ月未満
6ヶ月以上
 

● 症状別の注意点

生後6ヶ月未満

何回も繰り返して嘔吐があり、顔色が悪ければ小児科医の診察を!!

何回も繰り返して嘔吐があり、顔色が悪ければ小児科医の診察を!!

生後3ヶ月未満の赤ちゃんは、ミルクの飲みすぎやゲップと同時に吐くことがありますが、そのような時は顔色も良く機嫌は悪くならないのが普通です。ウィルス性の胃腸炎にかかることはかなり少ないと思いますが、兄弟などから感染して胃腸炎になって嘔吐を繰り返した場合は簡単に脱水状態になってしまいます。また重い感染症(髄膜炎など)の初期症状が嘔吐だけのこともあるため、何回も繰り返して嘔吐があり、顔色が悪ければ夜中でも小児科医の診察を受けたほうが良いと思います。

同時に38度以上の熱が出た場合は発熱に対する注意も必要です。やはり夜中でも小児科医の診察をお勧めします。

生後6ヶ月以上

吐く回数が少なければ、翌朝かかりつけに

ウィルス性胃腸炎が大多数を占めます。脱水状態になるかどうかが問題ですが、単に数回吐くだけなら一晩でひどい脱水状態にはなりません。水分を欲しがるなら、吐いた後20~30分ほど過ぎてからイオン飲料やスポーツドリンクなどを飲ませてみてください。眠たそうなら無理に飲ませないで、ゆっくり休ませてください。同時に下痢がある場合は脱水になりやすいので、翌朝一番でかかりつけの病院を受診してください。

ウィルス性胃腸炎以外の病気でも吐くことがありますが、緊急性のある病気はきわめて少ないと思います。ほかの症状との組み合わせで検討する必要があります。

症状別の注意点

嘔吐と発熱と下痢 ~典型的な『ウィルス性胃腸炎』の症状です。

食中毒を含む細菌性胃腸炎でも同様の症状がみられます。ただし、この3つの症状が同時に出てくるとは限りません。半日から2日くらいで症状が出そろうのが普通の経過です。吐くのではなく、熱から始まることも良くあります。

症状が軽い場合は、何もしなくても数日で治ってしまうことも多く、治療や点滴はその患者さんの症状の重さによって変わります。点滴をするかどうかの判断基準は医師やその医療機関の設備や人員により異なりますが、私の基準はおおむね以下の通りです。

■ ぜひ点滴が必要

  • ・丸1日以上、おしっこが出ていない時
  • ・泣く元気もない、または泣いても涙が出ない時
  • ・半日以上吐き続け、今後も水分が飲めそうもない時
  • ・吐くだけでなく、下痢も激しい時

■ できれば点滴したい

  • ・1日のおしっこの回数がいつもよりかなり少なく、色も濃い時
  • ・泣いても涙があまり出ない時
  • ・半日以上吐き続けている時、または下痢の量が多い時

■ 点滴しない。吐き気止めの座薬を使う

  • ・吐く回数が少なく、イオン飲料などを飲める時
  • ・最後に吐いてから6時間以上過ぎ、水分を飲めそうな時

頭を打った後の嘔吐 ~頭を打ってから24時間以内の嘔吐は要注意!

頭を打った後の嘔吐 ~頭を打ってから24時間以内の嘔吐は要注意!

頭を強く打つと『脳震盪(のうしんとう)』をおこして何回か吐くことがあります。一番の問題は、頭の中の『出血』がないかどうかですが、残念ながら診察しただけで『脳震盪』と『出血』を正確に区別することはできません。最終的に確定するには、頭のCT検査(レントゲンで頭の断面図を撮影する)が必要ですが、この検査は夜間や休日となるとどこでもできるわけではありません。昼間なら多くの病院で検査ができますが・・・。

ベッドから落ちたり、ひっくり返ったり、柱に頭をぶつけたくらいで頭の中に出血することはほとんどないのが現実ですので、その後1~2回吐いてもその後すぐに顔色が良くなれば一晩くらい様子を観察するだけで大丈夫だと思います。頭を打った後24時間以内に、次の症状がひとつでも見られた時は頭の中の出血の疑いが強いですから、夜間でも緊急に検査が必要です。救急車を呼ぶか、または脳外科医のいる病院に電話してください。

  1. 1.意識がない、つねっても反応が鈍い。
  2. 2.けいれんを起こした。
  3. 3.手足が思うように動かせない(片方だけでも)。

間欠的な腹痛の後の嘔吐 ~『腸重積症』…めったにない病気です。

10分~30分くらいの間隔で、かなり激しい腹痛を繰り返すのは『腸重積症』という病気の特徴です。痛みがあるときは苦しげな顔をして、冷や汗がでたりエビのように丸くなって痛みをこらえますが、痛みがおさまると元気に遊びます。この病気が進行すると腸閉塞をおこして吐くようになりますが、この状態は手術も必要となるような、一刻を争う状態です。小児外科の医師のいる病院に電話して、できるだけ早く診察を受けてください。

激しい頭痛を伴う嘔吐 ~『髄膜炎』…めったにない病気です。

嘔吐・発熱・頭痛、この3つの症状は『髄膜炎の3兆候』と呼ばれています。脳に細菌やウィルスが浸入して炎症を起こす病気です。ウィルス性の髄膜炎はほとんど自然に治ってしまいますが、細菌性髄膜炎は命にかかわります。嘔吐と熱があり、強い頭痛があるときはこの病気を考えて小児科医の診察を受けることをおすすめします。ただし、風邪やインフルエンザ、ウィルス性胃腸炎などで熱が出ても、頭が痛くなることも良くあることですので、あくまで髄膜炎を疑う症状と考えてください。

熱があるこどもに『頭が痛くないか?』と質問すれば、『痛い!』と返事するかもしれません。あくまで、自分で訴えていることが前提です。念のため…。

激しい咳に伴う嘔吐 ~胃腸の病気がなくても吐くことがあります。

『吐く』ということは、胃の内容物が口から出てくることですが、胃腸の病気がなくても、小さいこどもは吐くことがあります。食べ過ぎた時、長く泣いて空気を大量に飲み込んだ時、そして咳がひどくてお腹に力を入れた時です。風邪を引いたり、喘息発作を起こしたときなど、強く咳き込んだ拍子に吐いてしまうことは良く経験します。

もちろん胃腸が悪いわけではありませんから、吐いた直後でも普通に飲んだり食べたりできます。このような時は、吐いたものが咽喉に詰まらないように気をつければほとんど心配ありません。ただし咳の原因が何かということは大きな問題ですので、翌日かかりつけの小児科医を受診してください。

  • 予約診療で診察
  • 当院では、予約診療も併用しています(人数に制限がございます)。
    スムーズな診察をご要望の方は、前日までにお電話で予約してください。
  • 電話窓口 : 0480-66-4150
  • ともながこどもクリニック お問合わせ
  • 小児科
  • 0480-66-4150
  •  
    午前 × × ×
    午後 × × × ×
  • 診療時間
    午前 9:00 ~ 12:00
    午後 15:00 ~ 18:00
  • * 予防接種専用外来
    火曜日・金曜日
    13:30~14:30(要予約)