埼玉県加須市の小児科、ともながこどもクリニックです。

　「おたふくかぜウィルス」によって、耳下腺（または顎下腺）が炎症を起こし腫れる病気です。耳下腺のある場所は耳たぶの真下であり頬ではありません。子供の痛がっている部位を正しく確認できれば診断は比較的容易です。患者さんの特別多い時期はなく、１年を通して見られます。熱が出るとはかぎらず、出ない人のほうが多いくらいです。はしかや水痘に比べるとうつされにくい病気といえます。感染力が比較的弱いことと、感染しても無症状で免疫ができる方が多いことがその理由です。また両側の耳下腺がはれる方は、患者さん全体の半分くらいしかいません。

　おたふくかぜは通常は軽く済む病気ですが、いくつかの合併症が知られています。一番多いのは髄膜炎です。入院が必要となることもありますが、ほとんどの方は後遺症もなく治ります。成人男性がおたふくかぜにかかると、精巣（睾丸）炎を起こすことがあります。痛みが強く入院が必要となることもありますが、不妊症になることは無いといわれています。あまり知られていない合併症として、急性膵炎や女性の卵巣炎があります。また頻度は不明ですが難聴になることがあり、これも大きな問題です。

おたふくかぜにかかると、お子様は元気でも５日間は学校や幼稚園などを欠席しないといけません。元気な子供を隔離させておくことはそれなりに大変なことですので ワクチンで予防 しておくことをお勧めします。1歳過ぎればワクチン接種可能となります。最近は「2回接種」が勧められています。

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